誰も知らない2

古典文法・せいようの日記。

認知症の言語能力

一生モノは、言語能力、かも。アルツハイマー認知症中期、と思われる我が母を見ていて思ったこと。

比較的若く発症したゆえに進行が速いのか。77歳の現在、記憶が既に数分も「もたない」。もたないというか、好んで選んだやつだけ残る、といった感じ。Y(マンションの掃除人)に通帳を盗まれた、とそればかり。いやね、盗まれたのは金だよ金。100万円の現金。それはもう、月々2万ずつ返済させるところまでこぎつけたから。通帳やカードも、奴が確かにまだ持ってるかも知れないけど、どれも止めて再発行したから。新しい事実はいくら話しても残らない。

そんな母を連れて銀行巡りをしていた頃のこと。Yが夏頃母を連れて訪れ、長女夫婦が大金を勝手に引き出して困る、と偽の訴えをやらかした、まさにその銀行にて。悪さをしていたのは長女(わたし)ではなく、Y本人だ、ということをやっと理解した母。Yは保険会社勤務だかという友人の存在をちらつかせて母を信用させていたらしいのだが、そいつらについて母が、「同じ穴のむじな」という言葉を何回も何回も使って、一生懸命、銀行員のお兄ちゃん相手に弁明をしていたのがおかしかった。母は多分、(誤解したのは)自分が悪いのではなく、だましたやつらが悪いんだ、とお兄ちゃんに分かって欲しかったのだ(分かったかなお兄ちゃん、「同じ穴のむじな」って言葉、知ってた?)。

孫の名前もすぐ忘れるけれど、孫だと分かると、アルバイトはどう?〇〇ちゃんはいつトーキョーに帰るの?と、お愛想を言うことはできる。

言語能力と言うより、コミュニケーション能力かな。

しっかしフリック入力慣れない。

今週のお題「一生モノ」